同じ月を見た日

2020〜

 


同じ月を見た日

 

 

 

 

ウイルスの影響で世界中の人々が孤独を感じる今

 

天体観測をきっかけに多くの人が遠隔で柔らかに繋がり

 

自らの孤立と他者の孤立にまなざしを向けるプロジェクト

 

私たちは離れていても同じ月を見ることができる

 

 

 

 

 



 

渡辺 篤(アイムヒア プロジェクト)によるプロジェクト「同じ月を見た日」では

コロナ禍に孤独感を抱く人々から月の写真を募ってきました。

 

これまでメンバー制で進めてきた企画ですが

国際芸術祭「あいち2022」と「瀬戸内国際芸術祭2022」への参加にちなみ

2022年8月5日(金)〜10月10日(月)の期間は

条件を満たす一般の方からも月の写真を募集します。

写真はこのページに掲載されます。

 

月の写真募集 詳細:https://www.atsushi-watanabe.jp/moon-photos/2022/

 

 


 

プロジェクトはメンバー制になっており、現在約50名の方が参加しています。メンバーに対してはスマホ用の小型望遠鏡を無償提供し、オンライン交流会も行ってきました。メンバー募集は2020年春に行いました。

<メンバー応募条件(メンバー募集は締め切りました。現在、メンバー外の方からは写真募集のみ行っています)>

・コロナ禍に孤立感や孤独感を感じている人・ご自分で撮影した写真であること・サイトに掲載されるのを許可出来ること

 

2020年4月7日 新型コロナウイルスに対する、緊急事態宣言が初めて発出された日は、「スーパームーン」と呼ばれる一年で一番月が大きく見える満月の夜でした。

アートプロジェクト「同じ月を見た日」は、その日にスタートしました。

 


 

 

 

 

 

「同じ月を見た日」これまでの展示

展覧会外観「同じ月を見た日」2021年 R16 studio、神奈川 

©︎Atsushi Watanabe 2021, ©︎I'm here project|撮影:井上桂佑

  

《月はまた昇る》2021年 展示風景:同じ月を見た日(R16 studio、神奈川)

ビデオ:18分53秒、プロジェクター、ループ再生 スクリーン:3300×450×3300mm
月の写真:アイムヒア プロジェクト(らばんか、Ayako、marmotte、たかはしじゅんいち、道後ミカ、M、蒼晶、渡辺 篤|順不同)

©︎Atsushi Watanabe 2021, ©︎I'm here project|撮影:井上桂佑

 

…渡辺篤は、2020年4月の緊急事態宣言発出直後から、ひきこもりやコロナ禍に孤立を感じる人たちから、各自の居場所で撮影した月の写真を募集し、2022年6月までに国内外から約2500枚が集まった。そのうち、月をクローズアップで写した約70枚を、「月齢順」に並び替え映像化させた。

コロナ感染拡大が始まってすぐ、世界中の文化・芸術の多くのイベントは、施設の通気性などを理由に、中止や延期を余儀なくされた。渡辺も複数の展覧会開催において影響を受けた一人だ。今発信するべき作品を、感染リスクを理由とする中止や延期の憂き目に合わぬよう、自身が普段制作スタジオ利用してる施設の外壁を取り去り、オープンエアの展示会場としてリノベーションした。ストリートアートにも通じる開放的な観賞形式を設けた。 

 

 

《Your Moon》2021年 展示風景:同じ月を見た日(R16 studio、神奈川)

5400×900×1800mm(可変) 月の写真:アイムヒア プロジェクトメンバーら約50名

©︎Atsushi Watanabe 2021, ©︎I'm here project|撮影:井上桂佑

 

…2020年4月7日の緊急事態宣言直後に開始したインターネットでのメンバー募集に応答した人々に対し、渡辺篤はスマホ用の小型望遠鏡を無償で送り続けた。すると数日後から、各自の場所から撮影された集まった月の写真が次々に送られてきた。それらを撮影日時順に並べ、ライトボックスにて展示する。会場には、各写真の詳細リストも掲示。

 

 

《ここに居ない人の灯り》2021 年 展示風景:同じ月を見た日(R16 studio、神奈川)

スマートプラグ、LED電球、ライトカバー、Wi-Fi、スマートフォン ライト操作:アイムヒア プロジェクト 国内外のメンバー数名

©︎Atsushi Watanabe 2021, ©︎I'm here project|撮影:井上桂佑

 

…社会問題としての孤立課題は今ますますな重要な取り組みとなってきている。国際的にも高齢者・依存症患・路上生活者などにまつわる孤立への取り組みが必要性を増している。更に近年、ひきこもりについても各国でその問題が顕在化してきた。しかし、孤立課題とは、ここから見えない、声が聞こえない場所にいる存在にこそ、関わりの必要性があると言える。孤立課題とはいつでもその不可能性に向き合い続ける意識が根本に必要だ。医療や福祉は当事者本人からの要請が無ければ、ケアできないというパラドクスがある。しかしそこに、アートにこそできることがあるかもしれない。参加メンバーには、展覧会場には来られない人もいる。ひきこもりや心身の障害、海外でロックダウンに遭っていたり、行動の困難が伴う人も居る。球体ライトは一灯ずつがオーナー制となっており、地球上のどこかに居るメンバーのスマートフォンと繋がっている。不意にライトが点灯した時、ここに居ない誰かを感じ取ることが出来る。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト「同じ月を見た日」とは…

 

孤立感を感じる全ての人を対象とし、「月の観察/撮影」をきっかけとする遠隔交流や、困窮する不可視の他者へのまなざしや想像力を誘発する、「コロナ禍」及び「アフターコロナ」に対するアートプロジェクト。

 

 

同じ月を見た日

 

 

企画者の現代美術家 渡辺篤は、自身の深刻なひきこもり経験を起点とし、当事者と協同する企画を多数行ってきました。しかしコロナ禍の現在、「社会全体が孤立の当事者」となっています。孤立の課題はもはや他人事ではありません。

 

 

同じ月を見た日

 

 

「月」は古来、ここに居ない人を想う媒介として見つめられていました。あなたが今見ている月は同じ時間に別の誰かが見ています。また、「コロナ」の語源は、太陽の周縁の一部を指します。私たちは普段、太陽の光を受けることで月を見ることができています。

 

 

同じ月を見た日

 

 

コロナ禍において、環境汚染が大きく軽減しました。人々が外出を控え、排気ガスや光害が減ったことで、これまで見えなかった遠くの山の稜線が見えるようになったそうです。私たちは現在、“コロナ”によって多くの困難を抱えていますが、しかし今だからこそ太陽(コロナ)から照らされた月をより綺麗に見ることも出来るでしょう。

外出を控え、家から月を見てみませんか?私たちは離れていても同じ月を見ることができます。

 

 

同じ月を見た日

 

 

 

本企画は、月の撮影がスマホで行なえる小型望遠鏡を約30名(*1)にお送りします。ひきこもりを始めとする「継続的な孤立の当事者達」とウイルスによって今日新たに「一時的な孤立の境遇にある者達」とが、家に居ながらにして遠隔で同じ月を観察・撮影し、それをきっかけに「オンライン交流会」や「展覧会」(*2)を行うことも予定しています。

 

 

同じ月を見た日

 

 

アフターコロナに向けて、これまでもこれからも孤立せざるを得ない人々に対し、社会の側が他人事の意識を越えて「私たちの孤立課題」にまなざしを向ける機会をつくりたい。

 

 

 

 

 

*1…2020/5/16現在、規定数に達した為、小型望遠鏡の無償発送は終了しました。メンバー募集も終了しました。70件近くの応募があり、50名ほどの方々がメンバーとして世界各地から月の写真を撮影しています。

*2…展覧会歴:展覧会「同じ月を見た日」(2021年2月、R16スタジオ、横浜)。「TURN6」(2021年8月、東京美術館、東京・オンライン)、「国際芸術祭あいち2022」(2022年7月)、「瀬戸内国際芸術祭2022」(2022年8月、香川)参加。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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